十二、三畳ほどのワンルーム・マンションの一室に、小さな机が横二列、縦に三列並んでいる。正面には幼児の目の高さに置かれたホワイトボード。壁一面に子どもたちの描いた絵が貼ってあった。お人形のような女の子にお日さまきらきらといった、いかにも幼稚園児が描きそうな絵はなく、季節の野菜や花を観察して描いたものや、遠近感を出した公園の風景などが並んでいるのが、いかにも塾らしいところ。窓の上の天井に近い壁には、昨年度の合格者の名前と学校名を書いた紙が貼ってあり、名前の上に選挙当選者よろしく赤いバラがついていた。この合格者名と学校名プラス赤いバラであるが、あちこちの塾で目にする光景である。そういえば選挙に当選するのと、私立・国立難関校合格は似たような要素がいっぱいあると気づいた。コネ、カネ、体力が勝負という点といい、二世(卒業生の子ども)は強いという点などだ。『すみれ会』が男の子をとらない理由は、「女の子と男の子では、私立受験をさせる意義がちがう」と考えているからである。
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