ビタミンの発見とは分離すること

2011.07.07

ビタミンは、動物の体の維持・成長に不可欠なものとして、その欠乏症を起こす原因物質として発見されてきました。ここでお気づきかと思いますが、まずその物質の本体を化合物の形で食べ物の中から分離し、次にその分離した化合物の化学構造を決定しなければなりません。化学構造が決定すれば、何らかの形で人間の手で合成する道が開かれるのです。人間の手で化学合成することができれば、安い原料を使って、大量に安く生産できることになります。そして、ビタミンを単体として発見する時代の後にやってきたのは、ビタミンとビタミンあるいはビタミンとミネラルを組み合わせると体の中での働きがよくなるという考え方です。例えばビタミンB群をそれぞれ単独で大量に摂るよりも、グループとしてまとめてバランスよく摂ったほうがはるかに有用な働きをします。活性酸素やフリーラジカルと呼ばれる物質が、体を酸化する(さびつかせる)のを防ぐためには、抗酸化ビタミンであるビタミンC、ベータカロチン、ビタミンEを単独で、大量に摂るよりも、グループで適量摂ったほうがはるかに効果的に酸化を防げます。こうした栄養素の相互作用が注目された時代は、1980年代半ばまで続きました。