各国の教育は、その国の文化・社会・経済に深く根ざしており、授業料や奨学金の国際比較に際してもこの点を十分に埋解する必要がある。ただ単に奨学金の受給基準やローンの返済方法を比較するだけでは、表面的な理解にとどまったり、理解を誤る可能性がある。そうした文化・社会・経済に根ざす考え方のうちで、授業料や奨学金を考慮する際に最も重要なのは、教育費負担に関する考え方である。つまり、重要なのは、こうした教育費負担の相違は、教育に対する各国の考え方の相違によることである。大まかに言えば、イギリスを除くヨーロッパの大陸諸国はほとんど公的負担であり、束アジア諸国は私的負担とりわけ親負担が多い。公的負担の背景にある考え方は、教育費は税金でまかなうという福祉国家的教育観であり、教育は社会で支えるものという考え方である。これとは対照的に、束アジア諸国は、教育費は家計が負担するという家族主義的教育観により私的負担が多くなっている。このように教育観の相違が教育費負担の差異を生み出している。
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