番組にファッション性を注入するのは、視聴率だけでなく、端的に言えば財政的な観点からも有利なことである。時に、素敵な装いをしたスターがじかにお金をはじき出してくれることもあるのだ。たとえば、『バフィ・恋する十字架』の一クール目では、主演のサラーミシェルーゲラーはいかにも女子高生といった格好をしていた。だが、間もなく番組は現実主義を捨て、より積極的にファッションを取り入れる路線へと変更した。そして、一九九八年、フォックスーコンシューマー・プロダクツはバフィのシグネチャー。タイトパンツ、フード付きパーカー、スリップードレスなどといった「バフィ」ブランドの服を売り出したのである。同様に、『フレンズ』の衣装デザイナーであるデブラーマクガイアは、番組での経験を自分自身のブランドに活かし、カリフォルニア州パシフィックーパリセイズにあるブティックで販売している。ファッションは、MTVにも大きな影響を与えた。ますますファッションに精通してきたビデオーディレクターたちは、さまざまな方法で作品にデザイナーズブランドを取り入れてきた。アーティストはカッコよく見えるし、ファッションメゾンにとってはそれがテレビ宣伝になる。つまりは共存関係なのだ。ジャールールはビデオでよくバーバリーを着ているし、ジェニファー・ロペスはヴェルサーチ派。ジェイの『ガールズーガールズーガールズ』のビデオでは、クリスチャンーディオールのTシャツが二枚使われていた。一枚は「ジャドールーディオール「ディオール大好三」と書かれたもの。もう一枚は、目の部分がCとDの文字になったスマイリー・フェイスが描かれたものである。このビデオは、ディオールがこれらのシャツを主役にした印刷媒体広告を全国展開してから間もなく登場したものだった。『ヅオーグ』の広告を見逃した消費者も、このビデオが流れるたびにシャツが拝めたわけだ。現在のプロダクトープレイスメントは、監督が「カット」と言った瞬間に終わるわけではない。プロダクトープレイスメントが次に進む分野とは?それは、再放送である。二〇〇一年、ニュージャージーのプリンストンービデオーイメージ社は10年契約の交渉に当たっていた。TNTで一晩に二度放映される『ロー&オーダーノ法と秩序』の再放送に、CGでロゴや広告を埋め込もうというのである。たとえば、屋外シーンの背景にケネスーコールの看板を入れたり、シャツに目立つようにロゴを入れたりするわけだ。