『田の字プラン』の誕生

2011.10.13

田の字プランはなるべくしてなったということができるが、それを広く定着させたのは長谷川工務店(現、長谷エコーポレーション)の功績だろう。同社では七三年から標準設計システムの研究を始め、『コンパス』シリーズを開発する。コンパスとはcondominiumbuilding Systemの略称で、土地取得から企画・設計・施工・販売・管理までをカバーするトータルシステムのことである。当時の同社社内報には、「同一タイプに集約できるマンションプランを標準化し、その標準化されたユニットの組み合わせにより企画・設計・施工することにより、良質で低廉なマンションを供給するシステムである」と記載されている。コンパスが研究・開発された七〇年代は、七一〜七三年にかけて“一億総不動産屋時代”と揶揄された列島改造ブームが起き、第三次マンションブームを招くが、七三年十月の第一次オイルショックによって終焉した頃である。列島改造ブーム時には地価が高騰し、オイルショックでは地価は若干下がったものの、資材の急騰に伴って建築費が上昇するというダブルパンチによって、マンション価格も大きく変動した。