薬事法は昭和二三年七月に公布、即日施行された。戦後のGHQの占領下で復興をめざす化粧品業界にとって、重要な意義をもつ初めての関連法律であった。二一年秋に制定された優良化粧品制度の導入で、品質向上の努力がなされるなか、薬事法の制定は化粧品の製造・輸入販売営業所ごとの登録、安全性の追求、有害化粧品・不良化粧品の排除、不正表示化粧品の取締り、虚偽・誇大な広告の禁止など、化粧品業界の近代化に向けて大きく貢献することとなり、その後の三五年新薬事法に精神が受け継がれていく。ただし、新薬事法は、アメリカの薬事行政を背景にして制定された二三年薬事法の改正ではなく、一二年間の実効結果を加味しつつ、時代の流れを反映して制定された意味から新薬事法と称せられている。新薬事法は三五年八月に制定された法律で、高度成長期に化粧品業界の方向性を明示する重要な意義を持つものであった。新薬事法の定義によれば「化粧品とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力をまし、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪をすこやかに保つために、身体に塗擦、散布、その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされているもので、人体に対する作用が緩和なるものをいう」とされている。新薬事法の規制内容は登録制を許可制にしたこと、責任技術者の配置、品目ごとの許可制、特定成分配合化粧品の承認などであった。
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